お盆施餓鬼回向
上来三宝聖衆の御前に於いて修し奉る施餓鬼法要一筵、右、白福善根の功勲に応えては、六道四生有縁無縁法界の万霊、檀信徒中先祖代々の諸精霊、戦死病没公務殉職の英霊、戦災震災横死の諸精霊、修法得脱の諸精霊魂等、別しては、本年新盆に相会う処、各々の霊位等、盂蘭盆会水向供養、座法蓮華成等正覚。
竊かに以れば、生死の無常は之を知らざる人もなく、有為転変は之を弁へざる人無し。凡そ寿命は草の上の露、身は風前の灯、出ずる息は入る息を待たず、憑みなきは我等が身なり。驚き騒ぐべき道理に非ざれ共、之を悲しむは人界の習い凡夫の常なり。
今、在世の儀式に準じて盂蘭盆会の善根を致す。
之れ解脱の種子、之れ成仏の直因なり。
昔、目連尊者は、仏力を仰いで青提女の苦しみを救い、今日参集の善男善女は、法華経の力を以って六親九族の仏果を遂ぐ。若し然らばこの功徳に酬いては、各霊位、無始遠々刧の罪障を消滅し速かに寂光の宝刹に至るべし。
仰ぎ願はくは、諸法実相の春の花は不変真如の梢に開き、如実知見の秋の月は随縁常住の空に朗らかならん。乃至、精霊の胸間には仏果増進の喜びを生ぜん。功徳・余善・堂内に満ち、法界平等の益を施さん。
如以甘露灑除熱得清涼、如従飢国来忽遇大王膳。願以此功徳普及於一切、我等与衆生皆倶成仏道、乃至法界平等利益。
本日、この法筵を同じゅうして祈るところ、当山開山( )聖人以来歴代の諸聖人等、一念三千の妙土に於いて加持報恩の供養を受け、普賢色身三味に入って浄仏国土の化用を施し給わん事を。増円妙道位隣大覚、若親近法師速得菩薩道、随順是師学得見恒沙仏。化一切衆生皆令入仏道広導諸群生令速成菩提。
更に祈る、本日この法要をさいわいとして卒塔供養志す所の善男善女、此の功徳に依って、無始以来の謗法六根罪障懺懈罪障消滅信力増進滅悪生善、其家家門繁栄子孫長久福禄倍増、年中安泰一切無障礙、感応同交哀愍御守護。 南無妙法蓮華経
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